自律神経失調症は近年、若年層を中心として広まっていることが知られています。
その症状が多岐にわたっていることから自分が自律神経の失調を起こしているとは気づかない人もいるのが実態です。
ストレスとの密接な関係があることから、ストレスによって引き起こされる症状が実は自律神経の失調によるものだったということも珍しくありません。
その一つとして暴飲暴食が注目されるようになっています。食べすぎや飲みすぎは自律神経と関係性があるのでしょうか。
食べすぎや飲みすぎと自律神経の失調には関係がある
いつも食べすぎで困っている、つい飲み会になると飲みすぎてしまうようになってきた気がするというときに原因が何かと悩むことがあるでしょう。
暴飲暴食を繰り返していると肥満の原因になり、肝臓を傷めてしまって肝硬変などを引き起こす恐れもあります。
早い段階で対処をするのが重要だというのがわかっていても、つい食べたり飲んだりするのをやめられずに困っている人も世の中には大勢います。
この原因して指摘されるようになってきたのが自律神経の失調です。
ただ、その関係性は複雑で、自律神経の失調が暴飲暴食を引き起こす一方、暴飲暴食がまた自律神経の失調を悪化させてしまっていることがあります。
この関連性について詳しく確認していきましょう。
暴飲暴食は自律神経の失調による食欲の増加が一因
暴飲暴食の原因の一つとして自律神経の失調による食欲の増加が挙げられます。
人はもともと満腹になったら食欲が低下して食べるのをやめるように調節する機構を備えています。
血糖値が上がる、胃袋が膨らむ、食べ物をよく噛む、腸に内容物からの刺激が伝わるといったことにより満腹感を得て食欲が低下するのが一般的です。
この機構には自律神経が関与していて、例えば胃袋が膨らんだときに腸壁から神経を通して中枢神経系にある満腹中枢に刺激が伝わり、お腹がいっぱいになったという認識ができます。
このような神経活動が適切に行われなくなることで、満腹を示す刺激を受けても目の前においしそうなものがあると食べ続けてしまうということが起こり得るのです。
暴飲暴食は自律神経の失調の原因になり得る
暴飲暴食をすると自律神経が失調を起こす可能性があることもわかってきています。
因果関係には諸説ありますが、食べすぎてしまうと胃腸に負担がかかって消化吸収の機能が低下してしまい、食べたのに栄養をきちんと取れていない状況になるのが原因の一つです。
神経活動をするのに必要な神経伝達物質を作れなくなったり、ミネラルが不足して自律神経の活動が不安定になったりすると失調を起こします。
飲みすぎた場合にはアルコールの作用によって自律神経は制御が利かなくなりますが、その頻度が多かったり、アルコールに被曝する時間が長かったりしたために神経のネットワークが再編成されて正常な機能をしなくなることがあります。
このような仕組みで食べすぎや飲みすぎが自律神経に悪影響を与える可能性があるのです。