近年、プロ野球選手の中で、自律神経失調症になった選手が数人いたことが話題になりました。
自律神経は、身体の中で循環器をコンロトールする役割を担っています。
従って、自律神経が乱れると、心臓の動きをコントロールできなくなります。
実際に、自律神経失調症を発症した人の約80%が、「動悸」を訴えています。
動悸が起きると、心臓の病気を心配する人がいますが、その原因は心臓自体の異常ではなく、自律神経の乱れということが少なくありません。
自律神経の乱れが動悸をもたらすメカニズム
動悸を簡単に言うと、心臓の脈を打つ拍動が強まり、普段は意識することの無い「ドキドキ」という心臓の動きを強く感じるようになることです。
その動悸には、拍動が早くなる「頻脈」や、拍動が不規則になる「不整脈」の2つが挙げられます。
しかしながら、動悸の原因は心臓の異常というよりも、自律神経の乱れや精神的ストレスと診断されるケースがほとんどです。
従って、究極的には、動悸の原因は不明と言っても過言ではありません。
現実に、緊張したり、激しい運動したりすれば、動悸(ドキドキ)が起きますが、これらを病気と思う人は一人もいません。
緊張や運動でもなく、また心臓に異常がある訳でもないのに動悸が出てくるのは、自律神経の乱れからくる全身の血流の低下が主な原因になっています。
動悸は血流の低下が引き起こす二次的症状
自律神経失調症によって血流が低下すると、その症状として動悸が生じます。
血流の悪さを補うため、心臓は拍動を強めることで動悸を感じるようになります。
逆に、動悸に対する治療をしなくても、血流を改善させると自然と動悸自体が治まってきます。
つまり、動悸は血流の低下がもたらす二次的な症状と言えます。
ちなみに、自律神経失調症は動悸に繋がるだけではなく、血流低下による以下の症状などももたらしします。
めまい ・ふらつき ・頭痛 ・目のかすみや疲れ ・息切れ ・過呼吸 ・手足の痺れ ・手足の冷え ・体がだるさ など、自律神経失調症は西洋医学において、正式な病名があるわけではありません。
何らかの症状あっても、検査で何の異常の見つからないものが、「自律神経失調症」と診断されます。
自律神経失調からくる動悸の治し方
自律神経失調症とは特定の原因を基にした病気ではなく、活動時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経のバランスが崩れた状態を意味します。
従って、疾患に対する薬による治療というようなものは基本的に行われません。
心身のストレスに起因する自律神経の乱れには、可能な限り環境の調整を行うことが必要です。
まず第一に、十分な睡眠を取って休息を図ることです。
また、生活に乱れがあると、知らない間に身体や精神にストレスを与えるようになります。
生活リズムを整えることも大切です。
そして、過度の飲酒やカフェインの摂取が交感神経を無用に刺激することに繋がります。
これらの習慣を改めることも大事な要素になります。
なお、心理面への治療として、心理療法が有効になることがあります。